今まで何の問題もなく審査に通っていたアプリが、急にポリシー違反と言われてしまい、GooglePlayStoreにてアップデートできなくなってしまいました。非常に困ったもののGoogleのサポートチームに連絡をしても定型句しか帰ってこず、地道にアップデートを重ねて原因を探ってみました。
アプリ概要
- 世界に向けて配信中
- 多国籍なチャットアプリ。
- 気になる人とチャットが可能(テキスト、写真)。
- 初回起動時のEULA(エンドユーザライセンス同意、利用規約)同意、ブロック機能、メッセージ非表示機能、通報機能は実装済み。
必要な機能が備わっているか?
掲示板やチャットアプリのようなものを、googleは「ユーザ作成コンテンツ」と呼び、専用のポリシーに準拠することを求めています。まずはこちらを確認してみてください。
ユーザ作成コンテンツを持ったアプリを公開する場合、以下の機能を必ず準備する必要があります。
- 利用規約やプライバシーポリシーへの同意(同意しなければ使えないように)
- 悪質なユーザや不快なコンテンツを通報する機能
- 不快なコンテンツを非表示にする機能
- ブロック機能
1つずつみていきましょう。
利用規約やプライバシーポリシーへの同意
皆さんもアプリやwebサービスを初めて利用する時に、利用規約が出るかと思いますが、それを必ず実装する必要があります。また、同意しない限り、機能を制限する必要もあります。
悪質なユーザや不快なコンテンツを通報する機能
どうしても迷惑な行動をするユーザーは出てきます。これらを「簡単に」通報することが求められるようです。簡単の定義が分かりませんが、他のアプリを参考にすると2タップ位が基準でしょうか。
不快なコンテンツを非表示にする機能
通報できても表示されたままでは嫌ですよね。この場合、コンテンツを「見えなくする」機能を準備する必要があります。アプリにもよりますが、自分が作っているトーク系アプリならメッセージの削除でしょう。
ブロック機能
こちらも通報だけでなく、ブロックまで可能な必要があります。これはなぜ必要なのか想像しやすいですよね。
その他
代表的なことを挙げましたが、アプリによっては他にも必要とされる機能は存在します。また、それらがポリシーページにおいて明記されているものもあれば、曖昧な書き方にされているものも存在します。
ユーザーの視点に立った時、「意図しない危険に晒されないか」「ユーザ自身が行える操作で不快や危険といった属性を持つものを拒否・排除できるか」といったことが重視されているのだと思います。
また、もちろん「性的・差別的・攻撃的・グロテスク」といったものが主コンテンツであるとリジェクトされるので注意。
全て実装していても違反とされてしまう!
上記に挙げた機能を全て実装していても、否認されてしまった場合、
- 直感的に各機能が利用可能か
- 継続的にサービスとして苦情対応できるのか
これらも加味されてリジェクトされている可能性が存在します。
直感的に各機能が利用可能か?
上記に挙げた機能が、複雑な操作や手順を踏まないと使えない場合、リジェクトされる可能性があります。例えば通報するためにブラウザに飛ばされ様々な入力を強要されるケース、ブロックするために運営へリクエストを投げ待機する必要がある等。。
普段使っているアプリをあらためて見ると分かりますが、非常にシンプルに通報したりブロックできたりします。ユーザ作成ポリシーは非常にシビアなところなので、高いユーザビリティが求められるのでしょう。
継続的にサービスとして苦情対応できるのか?
上記機能が客観的にみて継続性を持っているのか?を問われることがあります。例えば通報フォームがGoogleFormのような別サービスを利用している場合、主のサービスとは別のタイミングで停止してしまったりするからでしょう。
あくまでオリジナルなサービスの1つとして苦情対応まで行える必要があるみたいです。
対応策
具体的な内容はわかったからどうしたらいいの?というところですが、
- 完成度の高い、不快なものを排除するシステムを作る
- それらを利用しやすい状態にしておく
これらを徹底する必要があります。
完成度の高い、不快なものを排除するシステムを作る
LINEは簡単にユーザをブロックできますし、通報だってできます。しかもそれらをアプリの中で完結して行うことができますし、わずか数タップです。
メインのコンテンツがいくらしょぼくてもアプリを公開することは可能ですが、最低限のセキュリティやユーザビリティに関する仕組みというかモラルは持っていてほしいということでしょう。利用する側からしてみれば確かにそうかもしれません。
各機能を利用しやすい状態にしておく
いくら優れたコンテンツ機能を持っていたところで、それが分かりにくい操作でしか使えないのであれば問題です。googleのページのどこかに、チュートリアルを表示させるのも効果的と書いてありました。どんなユーザーでもそういった自己防衛のための機能に、簡単にアクセスできて簡単に利用できる必要があるのです。
最後に
開発者からしてみればこういった機能は後回しにしてしまう気持ちもあるでしょうが、アプリ運営という考え方からすれば、かなり潜在的なリスクが存在するところでもあります。うまくブロックできなかったせいで実はずっとストーカーに投稿を見られていた!とか、ゾッとしてしまうような状況を作ってしまうかもしれません。
現在、一部界隈ではアプリ開発をカジュアルなものと捉える論調も見受けられますが、パブリックな場所に公開する以上、相当な責任が伴うことも忘れてはいけません。たまには自分のアプリを俯瞰的に見直してみましょう。